しらみによる人類学
遺伝子研究による人類学や歴史学の、従来の学説を覆す、或いは再考をせまるような発見のニュースが相次いでいる。特にイギリスで盛んに研究が進められているのだろうか、イギリス人の遺伝子的研究では以前に、特定の苗字を持つ人たちにアフリカ人特有の遺伝子が入っているという研究や、ジェファーソンのような歴史的個人の人種的研究などもあったが、9日のブログでも取上げたように古代史や言語年代学にも影響を及ぼすようになってきているらしい。今回のNYタイムズの記事はそれが人間ではなくしらみ専門家によるしらみの遺伝子研究による人類史への参入になっている。
http://www.nytimes.com/2007/03/08/science/08louse.html?ref=science
こういう発見のニュースをみると、本当に数多くの分野の研究が入り組み、絡み合って来ていることが分かる。特に生物学はもはや歴史学や文化の研究とも一体となって行くもののようにも思える。
それはともかく、この研究自体は無条件で面白いことは確かである。人間に何故体毛がなくなったのか、とか、衣服の問題など、実に興味深い、或いは面白い問題であるからだ。ただこの場合フォーカスが当てられるのがしらみとは、このニュースの冒頭でも述べられているように、人間の尊厳にとって美しくはないが。