ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

医学

「3D」映画と眼の疲労、身体の不調

映画「アバター」のヒットにちなんでNYタイムズに、いわゆる3D映画を見ることによって気分が悪くなる現象についての解説記事が出ていた。簡単で小さな記事だが、幾つかの専門文献がリンクされ、奥が深く難しい問題であることが伺える。眼の疲労だけではなく…

日本と同じ部分と異なる部分が共存しているNYタイムズのインフル関連記事

ニューヨークタイムズ科学欄でも引き続き、日本と同じような内容の新型インフルエンザ関連のニュースが続いているが、次の記事では、日本のマスコミと同じような内容と同時に日本とは異なる内容が共存している。 Swine Flu Hit Millions in Spring, Agency S…

新型インフルエンザの致死率とパンデミック予想

18日には日本の各紙がそろって、新型のインフルエンザ「致死率は米加で0.5%」という研究のニュースを報道している。オランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(理論疫学)の研究で、米科学誌で発表される前の公開である。NYタイムズとBBCニュースではこの…

表情研究の可能性とおもしろさ

4/19の記事、医学診断と表情の直感 ― 顔写真の効果で、表情に関わる研究や技術の興味深さ、可能性について認識を新たにさせられたが、5/12日の読売で紹介されている日本の研究も同様の趣旨で面白い。 犬の顔は飼い主に似る?大学教授らが「顔面相似」調査 …

新型インフルエンザのニュースにおける症状の問題

仕事や健康上など個人的な理由でしばらく、特にNYタイムズの科学記事をあまりチェックしていなかったが、改めて過去のニュースを大まかにチェックしてみると、さすがに豚インフルエンザの記事が多い。全体的に日本の記事と同様、かなり情報が錯綜していると…

インフルエンザ関連の古い(2,007年1月)ニュース

今回のインフルエンザ関連では科学ニュースとしても当然、多くの記事がBBCニュースとNYタイムズにも、日本の各紙からも出ているが、これはこの通り、現在特に日本では大騒ぎになり、各種のメディアで政府も加わって報道されていることでもあり、特に注目して…

医学診断と表情の直感 ― 顔写真の効果

今読んでいる「シンボル形式の哲学(カッシーラー)」によれば、あらゆる認識の基礎に、直感による「表情機能」がある(つい最近になって第三巻の「表情機能と表情世界」の章を読んだばかりだった)。表情のなかでも人の顔の表情はやはり、特別な研究対象なの…

医学・医療・健康情報にまつわる現状についてのNYタイムズ特集記事

今週、ニューヨークタイムズの科学欄では医学情報に関する記事の特集が組まれていた。色々な記事があり、日本にも共通するような、社会の変化や保険の問題にまつわる歪みのような問題や、医師、医療機関との選び方、つきあい方のような記事や、健康について…

過敏性腸症候群の心身相関の問題

引き続き、脳科学と銘打たれるもののみならず、一般の心理学、あるいは医学などの分野を含めて心身に関わる興味深い発見の科学ニュースが次々と出てきている。 その中で次のNYタイムズのニュースは、心身症的な印象が強い過敏性腸症候群についての考え方の変…

医療に役立たない研究 ―― 盲腸と虫垂の機能

多くの人々にとって特に切実でもないが、結構よく知られ、興味深く思われている生物学上あるいは生理学上の問題がある。盲腸と虫垂の機能がそれだ。虫垂炎にかかる人が多いからかということもあり、虫垂が何のために存在しているのかが分かっていないという…

一卵性双生児の遺伝子が同一ではないという発見 ― なぜか、NYタイムズ以外ではまだ報道されていないようだ。

(08/03/11) The Claim: Identical Twins Have Identical DNA (N) http://www.nytimes.com/2008/03/11/health/11real.html?ref=scienceこの記事は11日付けで公開されているから、既に1週間以上、経過している。ニュースソースの雑誌はMarch issue of The Amer…

身体と心 ―― 致死の病と心、一卵性双生児の心、笑いと身体

前回、二つの記事、すなわち日本、毎日新聞の、 (08/01/04) 東大調査:がん患者300人に死生観問う ケア環境を再考 (m) http://mainichi.jp/select/science/news/20080104k0000m040081000c.html とアメリカ、NYタイムズの昨年の記事、 (07/09/18) Insights…

医療と宗教と死生観

昨年末を含め、多忙のため2ヶ月近く期間が開いてしまった。 もう一月以上経ってしまったが、毎日新聞サイトの次の記事: (08/01/04) 東大調査:がん患者300人に死生観問う ケア環境を再考 (m) http://mainichi.jp/select/science/news/20080104k0000m0400…

誤解を招きかねないアサヒコムの見出し

アサヒコム、16日の記事、「(07/09/15) 薬剤耐性遺伝子、海の細菌から人体へ移動も 愛媛大研究」 http://www.asahi.com/science/update/0915/OSK200709150076.html を見て、おや、と思った。というのはつい最近の記事、(07/09/04) BBC News | Enlarged Imag…

遺伝子理論が重要な見直しを迫られているという記事

今年の2月18日付けのニューヨークタイムズ記事 (07/02/18) Genetic Tests Offer Promise, but Raise Questions, Too (N) http://www.nytimes.com/2007/02/18/business/yourmoney/18reframe.htmlについてはウェブサイトの方に要約を載せ、2月27日付けのこのブ…

運動、休息、眠り、瞑想、そして嗜好と関わる健康

この一ヶ月間ほどの医学・健康記事で印象に残ったものには表題のように運動、休息、眠り、瞑想、嗜好等に関わるものが多かった。共通して言えるのは心と身体とに深く関わるテーマだということに気づく。もっとも最後の嗜好に関わるものは具体的には煙草と飲…

脳と身体と心に関する幾つかの記事

BBCニュースの最近の分をまとめて見ていたが、相変わらず脳と身体と心に関わる記事が相次いでいる。何れも興味深い。Drugs may boost your brain power http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6558871.stmここで取上げられているModafinilという薬のことは全く…

骨髄細胞と免疫細胞

(07/03/21) 大腸がん転移に骨髄が関与、促進たんぱく質を確認 (よみうりオンライン) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070319i501.htm (07/03/19) がん広げる「案内人」は免疫細胞 京大グループ発見 (アサヒコム) http://www.asahi.com/science/news…

健康法関連ニュース

健康法、特に病気の予防法に関するニュースも相変わらず途切れることがない。それらの中で特に注目すべきと思ったのは抗酸化ビタミン類のサプリメントを大量に摂ることへの反省を促す提言とも言える次のニュースである。 (07/03/13) Another Supplement, Und…

加齢で衰えない技術

加齢と仕事能力に関する話題は国内外でよくある。とくに、高齢にもかかわらず能力の衰えを見せないケースや、また具体的な脳細胞機能のレベルでの奇跡的な回復といったようなニュースなどもテレビ番組などではよく紹介されている。ただそれらは個々のケース…

白内障予防とビタミンC

2月27日の読売オンラインのニュース、「ビタミンCで白内障予防、発症リスク約4割減」http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070227it05.htm はしっかり記憶しておきたいニュースだ。厚生労働省研究班による疫学調査との事であるが、今のところ他紙サイ…

身近な健康問題

やはり、特にNYタイムズに、色々と身近な健康問題に関する発見ニュースがでている。 http://www.nytimes.com/2007/02/13/health/nutrition/13exer.html これは、インフルエンザ・ワクチンは接取を受ける前に運動をするとワクチンの免疫力増進効果が高まると…

健康法に関する各種の調査研究

医薬品や高度な医療法以外に、いわゆる健康法に関する調査、研究の記事も各ソースで続いている。NYタイムズでは特にこの種の研究が多く紹介されているように見える。最近では次の三つの記事がある。 ◆ Mental Abilities: Folic Acid May Improve Thinking Sk…

冬眠サバイバル事例続報

昨年暮れに六甲山で起きた冬眠サバイバル事件がBBCニュースでは科学欄で紹介されており、このブログでも取上げ、こういう事例は無視されること無く研究され続けて欲しいものだ思っていた。あれから一ヶ月以上経過し、msn毎日の科学欄で改めてかなり詳しく取…

ガン治療の進歩

医学での新発見のニュースが国内、英米サイト共に多いが、特に最近はガン治療の前進を示すニュースが特に目立った。乳癌関与遺伝子の発見とか、遺伝子組替えの鶏卵から抗癌剤が作られるという話、さらに腸癌の新治療法、食道癌の新治療法とつづいているが、…

ペットオーナーに関する対照的な2つの記事

BBCニュースの記事 http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6279701.stm では犬を飼うことの効果、特に猫等の他の動物に比較しての、健康に及ぼす好結果について特に新しい話ではないが、幾つかの研究を総括した結果として報道している。しかし1月2日のNYタイム…

スペイン風邪研究と鳥インフルエンザ

1918年のスペイン風邪ウィルスを再生させ、猿に感染させた研究結果のニュースが、日米英各誌いっせいに発表された。病状の重症化の仕組みが解明され、同時に鳥インフルエンザとの類似性が確認されたということである。このニュースに対して次のような感想を…

ES細胞関連

宇宙関連と同様、やはり立て続けに報道されたのは一連のES細胞の生成に関する発見と人工臓器生成に関するニュースである。この種の発見は倫理問題との関わりの面が大きいが、人工臓器という、臓器移植に代わる技術に繋がるだけに、期待も大きいものがある。…

米国野菜の細菌汚染

アメリカでのO-157を始めとする、野菜による感染病の広がりを警告する記事が出ている。 http://www.nytimes.com/2007/01/02/health/nutrition/02seco.html?ref=science昨年の秋以来急激に感染が増えて来ているらしい。もちろん日本でも他人事では済まされな…