ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

健康法に関する各種の調査研究

医薬品や高度な医療法以外に、いわゆる健康法に関する調査、研究の記事も各ソースで続いている。NYタイムズでは特にこの種の研究が多く紹介されているように見える。最近では次の三つの記事がある。
◆ Mental Abilities: Folic Acid May Improve Thinking Skills
http://www.nytimes.com/2007/01/30/health/psychology/30ment.html?_r=1&oref=slogin
◆Regular Midday Snoozes Tied to a Healthier Heart
http://www.nytimes.com/2007/02/13/health/13nap.html
◆生きがい「ない」人は病死率高い…「ある」の1・5倍
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070212i402.htm

上の、葉酸が思考力を高めるという研究はオランダの大学における研究であるが、米国の専門家が、かなり高度な研究であると評価している。二番目の、昼寝が心臓病の防止になるという研究は米国のギリシャ人研究者がギリシャ人のデータをもとにした研究で、こちらの方は他の研究者のコメントとして、一応の評価がされているものの、解釈に多少の疑問が残るとしている。

どちらの研究結果も非常に喜ばしいものだと思う。とくに葉酸の研究の方は50歳から70歳までの人々を対象にした研究で、中高年にとって耳よりな話である。昼寝のほうは、ギリシャ人の研究者がギリシャ人を対象にしたデータを元にした研究を米国で発表したもので、米国にシエスタの習慣を普及させたいという願いも込められているようだ。とにかく昼寝はそれ自体、気持ちがいい。薬を飲むよりも、運動するよりも、ずっと気持ちがいいのだから、とこの習慣を薦める、このギリシャ人の先生には好感が持てる。

医薬品も結局のところ、その効果は統計的に証明するわけだから、この様な健康法といえるものも、どんどんと統計的に証明して、よいものは個人的にだけではなく社会システムの中でも取り入れられて欲しいものだと思う。

三番目の日本の研究は、生きがいについてのアンケートを元にした日本の研究であるが、1.5倍という数値は相当なものである。しかしこの数値は多くに人にとって納得の行くものだろうと思う。「生きがい」といえる対象を突然なくした人が、日を置かないうちに亡くなったりというケースはよく聞く話しだし、芸術化が創作意欲をなくしてまもなく死ぬ、といった話も昔からよくある。
「生きがい」という言葉はよく使われる言葉だけれども、これは特別な意味合いを持ったことばである。この言葉、概念の意味的な研究にも興味が起きるが、こうなるともう医学とはまた異なった世界に入ることになる。