物理学
一編の予備的論文を公開します。これは本ブログでも、筆者の別ブログ『意味の周辺』と並行して、掲載してきた鏡像問題関連で準備中の、より包括的な作品の、主要な基本構成部分をひとつにまとめたものです。タイトルは[Main Elements and a Conditional The…
2008年、表題書籍の著者である南部陽一郎を始めとする3人の日本人が歴史的なノーベル物理学賞を受賞して日本が大いに盛り上がってから早や10年が経過しましたが、ようやく以前から読もうと思ったこともあった同書を読み始めることとなりました。講談社ブルー…
今回は最初から端的に表題の件について説明したいと思います。 「座標系(coordinate system, reference system)」は英語でも日本語でも極めて明確な意味を持ち、かつよく使われる概念であるように見えます。一方の「方向軸(directional axis)」は、英語…
● 方向軸はヒトが知覚する方向感に基づいていますが、座標軸の方は感覚に由来する知覚とは関係ないもので、いわば思考空間で思考するための思考の産物です。ということは、方向軸はある意味、感覚に基づく実在性を持っていますが、座標軸にはそのような実在…
『視空間』とされるものは、それ自体は文字どおり空虚な空間であって物質ではないのはもちろん、その中に成立する像そのものでもない。しかしそれには厳然として上下・前後・左右の三つの方向軸で表される方向を持っている。それに対して物体、それも個体で…
岩波理化学辞典には「像(image)」の項目で実像と虚像の区別が定義されている。それによれば「光学系を通過した光線が実際に像点を通過する場合」が実像で、「光線を逆向きに延長したものが像点を通る場合には虚像という」、とされている。ウィキペディアに…
『視空間』とされるものは、それ自体は文字どおり空虚な空間であって物質ではないのはもちろん、その中に成立する像そのものでもない。しかしそれには厳然として上下・前後・左右の三つの方向軸で表される方向を持っている。それに対して物体、それも個体で…
岩波理化学辞典には「像(image)」の項目で実像と虚像の区別が定義されている。それによれば「光学系を通過した光線が実際に像点を通過する場合」が実像で、「光線を逆向きに延長したものが像点を通る場合には虚像という」、とされている。ウィキペディアに…
【今回の要点】 視空間は、各自の眼球内に物理的に結像する実像に対応する。換言すると実像に基づいて同時的に成立する虚像空間であり、異方的な知覚空間である。 鏡像認知空間は、記憶された虚像(鏡像としての虚像および直視像としての虚像)をその中で移…
【今回の要点】 鏡像を擬人化することで語りうる事柄は、鏡像の問題に固有の問題ではない。 知覚心理学で使われている「固有座標系」などの概念は物体や空間の擬人化に由来する。 固有座標系の概念に関連する問題は鏡像の問題、+特に鏡映反転の問題に特有の…
【今回の要点】 座標系ないし座標軸のセットと方向軸(異方軸)のセットは区別しなければならない。座標軸は等方的な幾何学空間で任意に定められる3本の直交する軸であって通常 x、y、zで表現される軸上の位置は相対的で、固有のx、y、zは変数であってそれ…
【今回の要点】 鏡像認知は座標系の概念と深い関係がある これまでの座標系を用いた解析方法を使用した理論は何れも鏡像認知の側面が欠落している 鏡像認知は鏡面という平面の認知から始まる 平面の認知は線や長さなどと同様に幾何学的な思考によるもので、…
【今回の要点】 鏡映対の成立(プロセス1)は、光の反射という物理的プロセスであると同時に鏡像認知のプロセスでもある 他者の鏡映対を比較する際には鏡像認知のプロセスは捨象(消去)されるので、鏡映対の成立は物理的プロセスと見なせる 自己鏡像を認知…
以下、前回にそのまま続きます。【今回のキーポイント】 鏡面対称と対掌体対とは明確に区別しなければならない ところで、Gardnerの主張の矛盾は何に由来するのでしょうか。この矛盾はよく考えると非常に重要な問題であることに気付きました。まずこの矛盾を…
【今回の要点】 比較プロセスは思考プロセスであり、選択肢からの選択プロセスが含まれる。 回転、移動、逆転、反転、変形、変換などは比較を行なうための操作、手順であるか、差異の表現形式でもある。 鏡は、物体を光源とする光を反射することで鏡像の成立…
【今回のキーポイント】 鏡映反転のプロセスには鏡映対をなす2つの像が成立するプロセスと、この2つの像を比較するプロセスとの2つの主な要素に分けられる。前者は基本的に幾何光学的プロセスであり、後者は認知プロセスである。 2つの像を比較すること…
【今回のキーポイントまたは結論】 鏡映反転を含め鏡像の問題はすべて立体像すなわち三次元の像を基本として考察しなければならない 先回には像、光、および物体、三者間の区別の重要性について考えてみましたが、今回は鏡像の問題を考える際には必ずこの三…
この記事は別のブログ「意味」の周辺に掲載した記事ですが、鏡像問題に関連する記事でもあり、こちらにも転載します。今年1月の記事でお知らせしたテクニカルレポートでは、カッシーラーの著作から孫引き引用した形でマッハからの引用を提示し、それがレポー…
2007年暮に鏡像問題をテーマとした毎日新聞記事を取り上げた記事を書いてからもう7年目になります。それ以来、鏡像問題の根底にある認知現象の問題が鏡像問題を離れて空間認識に関わる様々な現象、問題に関わっていることに気付くようになり、例えば縦書きと…
この本は1992年に発刊された頃に、多分新聞広告がきっかけで購入したもので、最初の方を途中まで読んでそのままになっていたものをもう二十年も過ぎた数日前にふとしたきっかけで思い出し、最初から読み始めたが、今回は読み出したらやめられず、比較的短時…
次の2つの記事(NYタイムズとBBCニュース)ではヘビの蛇行前進のメカニズムが解明されたことを紹介している。 (09/06/08) Snakes' Locomotion Appears a Matter of Scales (N) (09/06/09) Snake slips show slither secret (B)同じ内容だが、BBCニュースの方…