ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

2009-01-01から1年間の記事一覧

日本と同じ部分と異なる部分が共存しているNYタイムズのインフル関連記事

ニューヨークタイムズ科学欄でも引き続き、日本と同じような内容の新型インフルエンザ関連のニュースが続いているが、次の記事では、日本のマスコミと同じような内容と同時に日本とは異なる内容が共存している。 Swine Flu Hit Millions in Spring, Agency S…

前回に加えて地震関連研究のニュース

前回に取り上げた地震研究のニュースより少し以前に、やはり地震関連の興味深いニュースが3件ほどあったので、メモしておきたい。近い方から挙げると。毎日新聞サイトの記事。(09/10/22) 蛇紋岩:沖縄の大地震抑制 ひずみのクッションに (m) ネイチャー誌に…

地震の理論に関する注目すべきと思われる研究のニュース

最近、11月4日付けのBBC科学ニュースで、Nature誌に発表された地震の新理論に関する研究が紹介されている。 Major quakes could be aftershocks これは、少なくとも個人的に、非常に注目すべき研究のように思われる。ただし、アメリカの University of Misso…

環境省、気象庁、および文部省による報告書のニュース

今月の12日と13日、ウェブ版朝日と毎日の科学欄で、10月9日に発表された環境省、気象庁、および文部省による温暖化予測の報告書の内容が報道された。両方の記事を見て直ぐに気になった、というよりも呆れてしまったことは、何れの方も、科学ニュースとして伝…

最近の地球温暖化記事から

政治の世界では再び温暖化政策が重要なトピックになり、ライフスタイルというか、日常の問題としてマスコミに取り上げられる話題としても相変わらず、と言うよりますます「エコ」が耳につくようになってきている。とくにテレビコマーシャルでそれが言える。…

新型インフルエンザの致死率とパンデミック予想

18日には日本の各紙がそろって、新型のインフルエンザ「致死率は米加で0.5%」という研究のニュースを報道している。オランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(理論疫学)の研究で、米科学誌で発表される前の公開である。NYタイムズとBBCニュースではこの…

海洋の「スキン」と生物による海水の攪拌

海洋学の話題でニューヨークタイムズに2件、その内1件はBBCニュースにも報道されている。ひとつは海洋の攪拌にかかわり、他方は海洋と大気との反応に関わる最近の研究で、何れも生物が関わっている。 (09/07/27) Scientists Find a Microbe Haven at Ocean’…

金星の地殻とマントル、季候

ヨーロッパの金星調査衛星の新データに基づいた研究の記事がBBCニュースで報道されている。 (09/07/14) Probe hints at past Venus ocean (B) この記事を読むと、確かに現在色々な意味で金星は興味津々の惑星であることが分かる。今回の発見というのは、赤外…

生物の摩擦係数と前進運動

次の2つの記事(NYタイムズとBBCニュース)ではヘビの蛇行前進のメカニズムが解明されたことを紹介している。 (09/06/08) Snakes' Locomotion Appears a Matter of Scales (N) (09/06/09) Snake slips show slither secret (B)同じ内容だが、BBCニュースの方…

興味深いスロー地震の理論

日本は地震国で地震の研究も進んでいると言われているが、その割りに理論的な面での目新しい研究が紹介されることは少ない印象がある。もちろん、断層が発見されたとか、そういったニュースはよくあるが、発生した地震の解析といった面でも理論的な面でそれ…

表情研究の可能性とおもしろさ

4/19の記事、医学診断と表情の直感 ― 顔写真の効果で、表情に関わる研究や技術の興味深さ、可能性について認識を新たにさせられたが、5/12日の読売で紹介されている日本の研究も同様の趣旨で面白い。 犬の顔は飼い主に似る?大学教授らが「顔面相似」調査 …

新型インフルエンザのニュースにおける症状の問題

仕事や健康上など個人的な理由でしばらく、特にNYタイムズの科学記事をあまりチェックしていなかったが、改めて過去のニュースを大まかにチェックしてみると、さすがに豚インフルエンザの記事が多い。全体的に日本の記事と同様、かなり情報が錯綜していると…

CO2温暖化説を信じていないと思われる権威筋の太陽研究者 ― 太陽活動のニュース報道(2)

先般、このブログ記事で取り上げたように、四月に読売新聞やBBCニュースなどで報じられた同種のニュースが、2ヶ月ほどたった現在、再び朝日新聞で取り上げられている。 弱る太陽 活動200年ぶりの低水準この朝日のニュース記事は先に取り上げた読売やBBCニ…

インフルエンザ関連の古い(2,007年1月)ニュース

今回のインフルエンザ関連では科学ニュースとしても当然、多くの記事がBBCニュースとNYタイムズにも、日本の各紙からも出ているが、これはこの通り、現在特に日本では大騒ぎになり、各種のメディアで政府も加わって報道されていることでもあり、特に注目して…

音楽のビートに合わせて踊るオウムの映像

BBCニュースのこの記事には多くのBBC科学ニュース記事と同様、動画がついていて、それは非常にインパクトのある面白い映像だ。 (09/04/30) Birds show off their dance moves (B)オウムの一種がまぎれもなく音楽のビートに合わせて踊っている。ビートの早さ…

真実を覆い隠す道具としても用いられる「科学」 ― 特に温暖化関連ニュースから言えること

前々回に取り上げた読売新聞のニュース「太陽この100年で一番元気なし、黒点見えない日88%」と同じ趣旨の内容が、さらに大げさに拡大したような形でBBCニュースに掲載されている: 'Quiet Sun' baffling astronomers この記事では(地質学的な記録など…

医学診断と表情の直感 ― 顔写真の効果

今読んでいる「シンボル形式の哲学(カッシーラー)」によれば、あらゆる認識の基礎に、直感による「表情機能」がある(つい最近になって第三巻の「表情機能と表情世界」の章を読んだばかりだった)。表情のなかでも人の顔の表情はやはり、特別な研究対象なの…

太陽活動のニュース報道

温暖化に関わるニュース報道では、特に日本の新聞サイトでは何か散発的というか、突発的というか、脈絡があまり感じられないという特長があるような気がする。国連IPCCの報告のような場合、英米でも日本でも各社が一斉に報道するが、それ以外の場合、報道さ…

温暖化問題と専門性について ― 過去の記事を振り返って

温暖化問題に関わる記事をこのブログとは異なった文脈で別のブログに書きましたが、この問題はこのブログでも何度も触れている問題ですので、こちらにも再録します。これを書いた文脈は特にここでは必要ないと思います。「温暖化問題で言えば、少なくとも対…

「四川地震にダム関与の可能性」のニュースと英米のダーウィン特集から思う事

ニューヨークタイムズの記事 (09/02/05) Possible Link Between Dam and China Quake (N) は、冒頭の方で「a growing number of American and Chinese scientists are suggesting that the calamity was triggered by a four-year-old reservoir built close…

別ブログ投稿のおしらせ

一昨年の3月、このブログで下記の様な記事を投稿し、多少の反響がありました。 2007-03-24 - ― ブログ・発見の「発見」/科学と言葉 ― 科学上の発見から「意味」を発見*ニセ科学、疑似科学論議よりも具体的な批判を今回この問題をもう少し系統的に整理して…

昨年末までを振り返って ―― 動物ニュース、科学コミュニティー、意味論など

昨年秋の終わり頃から多忙になり、ウェブサイトを含め、更新できない期間が続いた。 年末から年始めにかけ、少し時間をとってブログの方から再開しようと思ったが、ため込み、あるいは見過ごしてきたニュース記事の中身から何かを拾い出してあれこれ考える気…