表情研究の可能性とおもしろさ
4/19の記事、医学診断と表情の直感 ― 顔写真の効果で、表情に関わる研究や技術の興味深さ、可能性について認識を新たにさせられたが、5/12日の読売で紹介されている日本の研究も同様の趣旨で面白い。
犬の顔は飼い主に似る?大学教授らが「顔面相似」調査
こういう研究が今後どういう方向に発展するかという点で特に興味深い。これは心理学だが、哲学との関係、あるいは実用的な医学との関係でどのような意味を持つのかとい点に興味が持たれる。
ちなみに、この読売新聞の記事に次のような気になる記述があった。「同様の調査は海外にもあるが、外国人より顔つきの違いが少ないとされる日本人を対象にした実験は初めて。」
「外国人より顔つきの違いが少ないとされる日本人」というのは何処かの学会か分野での定説なのだろうか。定説だとすれば科学としてはあまりにも大ざっぱでいい加減、無責任な表現である。「外国」というのが日本以外のすべての国を意味するのであれば、人口から考えて当たり前の話であるし、そうでないなら「外国」の意味を具体的に示す必要がある。
大体、西洋人からみて東洋人が、少なくとも慣れない間はみな同じような顔に見えるという話や、逆に日本人からみても慣れないうちは西洋人の顔の判別がしにくいというのもよく聞く話である。いずれも「慣れ」という問題がかかわってくるはずだ。
おそらくここでの「外国」はアメリカか、イギリスか、他のヨーロッパ諸国の事だろうが、その国の研究者の、しかも古い、いい加減な主張をそのまま引用しているだけかも知れない。