ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

医療に役立たない研究 ―― 盲腸と虫垂の機能

多くの人々にとって特に切実でもないが、結構よく知られ、興味深く思われている生物学上あるいは生理学上の問題がある。盲腸と虫垂の機能がそれだ。虫垂炎にかかる人が多いからかということもあり、虫垂が何のために存在しているのかが分かっていないということはかなり有名な話だ。その虫垂の機能についての仮説が専門誌に公表されたというニュースで、その仮説は素人にとっても興味深いものがある。

(08/06/17) Helpful Bacteria May Hide in Appendix (N)
http://www.nytimes.com/2008/06/17/health/research/17appe.html?ref=science

これによると、「Last December, researchers published a novel explanation in The Journal of Theoretical Biology」ということで、その仮説というのは、虫垂は人体と共生する細菌の隠れ家になっていると言うことである。これを証明するにはそれなりの調査をしなければならないが、それには費用がかかり、病気の治療に繋がる訳でもない研究のためにそんな費用を使うわけにはゆかないと、その研究者は語っている。

仮説とは言っても、「長年にわたる多数の事例から演繹されたもの」であると、その Parker博士 は言っている。演繹されたものならば単なる仮説とも言えないのでは無いかとも思えるが、その辺はよく分からない。

個人的に思うに、確かに医学として、病気治療に繋がるわけでもない研究に費用を使うわけにはゆかないかも知れないが、生物学として調査に値する興味深い問題ではないかとも思うのだけれどもそれはどうなのだろうか。