一卵性双生児の遺伝子が同一ではないという発見 ― なぜか、NYタイムズ以外ではまだ報道されていないようだ。
(08/03/11) The Claim: Identical Twins Have Identical DNA (N)
http://www.nytimes.com/2008/03/11/health/11real.html?ref=science
この記事は11日付けで公開されているから、既に1週間以上、経過している。ニュースソースの雑誌はMarch issue of The American Journal of Human Geneticsということだから、もっと早く発表されているはずである。これが今のところ、BBCニュースにも日本の各誌の記事にも見あたらないのが不思議に思われる。ニューヨークタイムズの記事も大きな取扱いではないけれども、記事自体の中では、「生物学の教科書を書き換えなければならないかもしれない」発見であるとまで言っている。少なくとも一般素人の常識から判断してビッグニュースになる筈の内容と思えるのだが。
記事中の研究者の言葉によれば、今回発見された遺伝子の違いは胚の段階で発生したのかどうかは分からないが、DNAの配列自体の違いであって、現在まであり得ないと考えられていた一卵性双生児における遺伝子の変化だそうである。
違いが発見された部分はcopy number variationsというそうで、近年発見されたばかりだそうである。これがどういうものかは専門的でよく分からないが、痴呆症とかパーキンソン病との関連で発見されたということ。とすると、こういった病気は生物学的な遺伝病とは言えないということになるのだろうか。