骨髄細胞と免疫細胞
(07/03/21) 大腸がん転移に骨髄が関与、促進たんぱく質を確認 (よみうりオンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070319i501.htm
(07/03/19) がん広げる「案内人」は免疫細胞 京大グループ発見 (アサヒコム)
http://www.asahi.com/science/news/OSK200703180024.html
以上二つのニュースをそれぞれ見たとき、最初は同じソースの記事と思えなかった。というのはもちろん、見出しでも本文でも異なった用語が用いられていたからである。よみうりでは本文でも骨髄細胞で一貫していたが、アサヒコムの方では見出しでは免疫細胞、本文では免疫系の細胞または免疫系細胞とも書かれていた。よく読んでみるとこれは「京都大学大学院の武藤(たけとう)誠教授(遺伝薬理学)と湊長博教授(免疫学)らのグループ」の研究であり、アサヒでは湊教授に取材したのに対し、よみうりでは武藤教授に取材したということなのだと思われる。どちらが適切なのか、またどちらでも変わりはないのかは分からないが、しかし一般人の立場から見ると骨髄細胞の方が即物的で適切なのではないかと思われた。というのも、骨髄細胞と免疫細胞とが完全な同義語とも思えないからである。また「免疫細胞」と「免疫系細胞」、それに「免疫系の細胞」が同じものを指しているのかどうかということも気になる。
このがん細胞を引き寄せ、がん浸潤の原因となるという「『未分化骨髄球』という未熟な免疫系細胞」が、別のところで免疫細胞として機能することがあるのであれば免疫細胞ということになるのだろうが、もしもそうでないのであるとすれば免疫細胞とは言えないのではないかと思われた。こう考えるのも、「未熟な免疫系細胞」と説明されているからである―― 一般人から見た素朴な疑問――。