ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

笑いと生物学

(07/03/18) What Happens When You Tickle a Rat? See for Yourself (NYタイムズ)
http://tierneylab.blogs.nytimes.com/2007/03/18/what-happens-when-you-tickle-a-rat-see-for-yourself/

笑いの研究というと心理学か哲学といった意味的研究の領分に属すものという印象があるが、それが動物学にも入って来ることは興味深いと同時に、困惑ももたらされそうだ。もっとも動物心理学という分野も既にあるようだし、少なくとも動物にも快不快の感覚と喜怒哀楽の感情があることは殆ど自明のことだろう。それでも笑い自体は快感そのものでもないし、幸福感そのものでもない。

この研究を公表したDr. Panksepp は神経科学者だそうである。記事には音声付ビデオファイルがついており、ネズミの笑い声とされる超音波を可聴音に変換したものを聴くことが出来る。笑いという意味論的なものを笑い声という現象で捉えているが、博士は同時にこれがドーパミン刺激で幸福感をもたらす部位とも関係があり、また喜びに関係する遺伝子を見つけることにも繋がるという可能性までにも言及している。

それにしてもこれは霊長類でも、犬やイルカなどでもなく、ネズミによる研究である。