ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

超巨大結晶の地下洞穴

BBCニュースでもNYタイムズでも、科学欄では豊富なスライドショーや動画などを提供しているが、特にBBCニュースではテレビ番組との関わりもあって、日本のニュースサイトには見られないような寛大さで惜しみなく映像を提供しているといえる。そんな中で多いのは何と言っても生物関係で、特に動物が多くなるのは当然だろう。天文の映像もインパクトがあるのでよく紹介されるが、動物に比べるとはるかに少ない。地球科学方面では、何と言っても気象の話題が多いが、風景、地形に関わる映像もよくある。化石の話題も結構多いが、これはあまり動画には向かないし、事実少ない。そんな中で、今回の以下の記事は鉱物結晶の話題で、動画で紹介されるのは珍しい。ダイヤモンドの大型結晶のニュースは時たま見られるが。

A rare glimpse of the cave of crystals

これは2000年にNaicaというメキシコの銀山で偶然に発見された地下の空洞で、世界最大級の巨大結晶が縦横に、何というか、ひしめき合っているような巨大な空間を1人のレポーターが探検している動画である。記事を読まずにこの映像を見ると、なにか合成映像ではないかと思うほど、あり得ないような印象を受ける。周囲の結晶が巨大であるというより、人物が小さくなったか小人であるかのような印象を最初は受けた。記事によれば一つ一つの結晶は10メートル程度あるらしい。実際、映像を見るとそのような大きさである。空洞自体が相当に広く、大きな鍾乳洞程度の広さはある。

記事によればこの結晶群は透明石コウだそうで、環境は気温が50℃、湿度が100%に近く、そのまま呼吸すると肺の中で水分が凝結し、非常に危険であるそうだ。レポーターによればカメラマンはもっと大変だという事だが、確かにその通りだろう。足の踏み場も巨大結晶の集積である。それでも結晶群の美しさに感動して、unbelievableとかmagnificentとか連発しているようだ。しかし小さな映像ではそこまでの美しさは感じられなかった。小さな画面で見る映像の限界だろう。

あまり地質学的な意味などの解説は記事にもなかったが、たしかにこういうものの存在自体、大きな科学ニュースには違いない。この鉱山は間もなく閉鎖されるとのことで、この結晶群はもう見られなくなるとのことだが、このあたりにはまだこのような物が発見される可能性が大きいとのことである。記事の最後は次のように結ばれている。

「As we learn more about the crust, we can be sure that there will be discoveries even more spectacular than Naica. I just hope I'm around to see them」