ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

幹細胞、ES細胞関連と遺伝子関連

幹細胞、ES細胞関連と遺伝子関連のニュースも相変わらず相次いでいる。
24日の(B)ニュース記事http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6359011.stm
ではクローン羊ドリーが誕生して10年目ということで、その後の進展や見通しについて述べられている。これによると、ドリーのクリエータの一人はその後の進展の遅さに失望していると述べている。一匹のクローン羊を生み出すのに200回も試みなければならず、当時とさほど変わっていないとの事。また哺乳類でも種類によって随分条件が違うらしい。
クローンに遺伝子組替えを組み合わせることも行われている。基本的にこの技術は遺伝子組替えを組み合わせて優れた性質の動物を作り出すことに意味があるとされているらしい。人間の場合にはクローン人間ではなく、ES細胞による治療技術に将来性がある。まだ人間のES細胞は作られていないが、それに成功すればあらゆる病気の治療に使える、といった内容が何人かの博士や教授の話として述べられていた。
実際、日本のニュースでもES細胞関連や人工臓器関連のニュースが相次いでいる。
一方、遺伝子による病気や性質の診断関連の「発見」も相次いでいる。アルツハイマー自閉症、更に統合失調症に関与する遺伝子のニュースがでてきているが、こういったことに対する警告のような記事も出てきている。http://www.nytimes.com/2007/02/18/business/yourmoney/18reframe.html
ウェブサイトには要約を付記しているが、この記事によるとかなり商品化が進んでいる様である。
BBCニュースhttp://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6375381.stmでは人間の性格と遺伝子との関連に対する研究であり、ある種の性質は遺伝子と関係しているとし、さらに同じ遺伝子が眼の虹彩のパターンに関わり、虹彩のパターンから性格が判断できるという、ちょっと怖いような研究である。虹彩のパターンが個人の識別に使われているのは聞いたことがあるが、しようと思えば性格を読み取ることが出来るとすればまた何か問題が起きそうである。ちなみに、血液型も遺伝子と関係しているのだろうから、性格と血液型との関連は今のところ根拠がないとしても、あり得ない話でもないと言えるかもしれない。
幹細胞関連ではまた、BBCニュースで、人間の脳に幹細胞を製造している部分があり、この幹細胞が脳内の嗅覚に関わる部位で神経細胞になってゆくという発見のニュースがあった。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6362183.stm
これはこの分野の他のニュースに比べて不気味さの少ない、気持ちのいいニュースに思われた。