闘いとスポーツの歴史 ―― 古代ローマ剣士の骨
闘争に関わる歴史のメインテーマはどうしても戦争と権力闘争になる。それ以外の闘いやスポーツに関する話題として、これは珍しい考古学上の発見のようだ。
BBCニュース4月2日の記事:Gladiators' graveyard discovered
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6614479.stm
古代ローマの剣士たちの墓所と考えられる遺跡がエフェソスで見つかり、たくさんの骨の傷などが病理学者と考古学者によって調査された結果が報告されている。大体、歴史的文献の内容やレリーフのイメージなどと一致する結果が得られたようで、非常に重要な資料になったと言われている。
骨や頭骸骨の傷から、随分と多岐にわたる推理、推測がされていて興味深い。ルールに基づいて試合が行われたこと、罰として殺される場合は比較的楽な殺され方をされたらしいこと、大体20台から30台で死んでいるが、中には長く生き長らえた人物もいることなどが示されている。
闘い、闘争心に対して人は罪悪感を持つ一方、憧れや尊敬を持ってきた。スポーツ一般や格闘技、武道などもそんな中で発展してきたのだろう。現在もまだ現実の戦争が絶えない一方、また闘争一般に関しても、競争社会を選択するのか福祉社会を選択するのかといった議論が世界中で巻き起こっている一方、スポーツがますます盛んになり、もてはやされている。こんな時代、こういったスポーツや色んな競技に関わるような部分での歴史を知ることは興味深く、重要なことであるかもしれない。心理学や倫理学にも繋がってゆくものだろう。