ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

日本のコウノトリとイギリスの鶴

コウノトリに関しては先般のニュースの後にもヒナの一羽が死んだことや、飼育されていた一羽が死んだことなどが報じられており、どうも先行きはあまり明るくもないようである。
このニュースと多少似て、多少非なるイギリスでの出来事が、BBCニュースで少し前に報道されている。(07/05/17) Birds breed again after 400 years http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/6659827.stm
これは過去にイギリス東南部の沼沢地に大規模な排水工事を行って農地に変えた結果、17世紀以来、鳥たちが姿を消していたが、11年前にそれまで人参畑であったところに湿地を復活させたところ、今回、鶴が現れて繁殖を始めたのが確認されたというニュースである。17世紀以来鳥たちが姿を消していた場所で11年前に湿地を復活させたという点も随分タイムスケールの長い話であるが、人工的に外国のどこかから鳥を捕まえてきて「国の天然記念物」の、いわば「後継ぎ」とし、人間が決めた場所で強引に繁殖させるというようなことを行っていないところは自然で気持ちが良い。豊岡のコウノトリのようなケースはどのように考えたらよいのだろうか。あれは動物園に動物を連れてきたのとそう変わらない。ああいうことを全く否定することもないと思うけれども、少なくとも世界的にコウノトリが絶滅したわけではないのだから、コウノトリが自然に訪れるのを気長に待つという選択があっても良いのではないかと思われるし、少なくとも本当に根付くまでは天然記念物という名前はお預けにしておくべきではないだろうか。もちろんこのような人為的な移植は特にに日本だけのことではなく世界的に行われていることのようだ。つい最近では次のようなニュースがある。
Irish eagle chick is first in century (BBCニュース)http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6703655.stm