ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

IWC総会とBBCニュース

アラスカで開かれているIWC総会に関するニュースはもちろん日本でも報道されているが、新聞社ウェブサイトの科学欄の記事としては殆ど取上げられていない。これはニューヨークタイムズでも同じである。しかしBBCニュースでは[Science/Nature]のカテゴリーに、これまでにこの国際会議に関する記事だけで20本ものかなり長文の記事が出ている。一つにはニュースのカテゴリー分けが、それぞれに異なっていることがある。BBCニュースではトップにはもちろん、各カテゴリーの重要なニュースが出るが、「政治」に相当するカテゴリーがない。ニューヨークタイムズではUSの配下にのみ[Politics]のカテゴリーはある。何れも政治的な記事の多くは地域のカテゴリーで扱われている。ついでに言及すれば、「健康」のカテゴリーはBBCニュースにもNYタイムズにも「科学」とは別個にある。大体BBCNYタイムズは似ているが、それでもBBCニュースの科学欄は他紙に比べてかなり広範囲な内容をカバーしていることは確かである。それにしてもこれまでに20本もの長文の記事が出ているのはすごい事のように思われる。会議の経過と平行して文化的な面での考察あるいは応酬などが論議されている。

考えてみれば、確かにIWCで議論されているような捕鯨の問題には現在の科学文明、人間と動物との関わりなどの様々な問題が集約されているようにも思われる。終わりのない議論が続くだけのようでも、どこかでこのような議論が続けられなければならないのかもしれない。

20本もの記事の中で、次の記事だけが、一般的な意味で科学的な報告といえるものだった。
(07/05/31) Blue whales 'making a comeback' (B)http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6710051.stm
これによると、シロナガスクジラは南半球で毎年増加傾向にあり、また北半球でも増加しているらしい。また今のところ他の小型鯨と違って、捕鯨の対象とはなる様子はなく、また地球温暖化による影響も分らないが、温暖化が何らかの影響を及ぼす可能性はあるとの事。