ブログ・発見の発見/科学と言葉 [2006年12月~令和元年まで]

2020年6月22日、本サイトの更新と過去の記事はhttp://yakuruma.blog.fc2.com/ に移転しました。当面、令和元年までの記事が残されています。

以前のタイトル:ブログ・発見の「発見」―科学上の発見から意味を発見―

2007年に本ブログを開始したときは、ウェブサイト上の科学に関するニュース記事(BBCニュース、ニューヨークタイムス、および日本の有名新聞サイト)に関するコメントとして記事を書き始めました。現在、当初のようにニュース記事に限定することなく、一般書籍や筆者自身の記事を含め、本ブログ記事以外の何らかの科学に関わる記事に対するコメント、具体的には感想、紹介、注釈などの記事を書いています。(2019年4月)

アンデス1万年前の農業

昨日の記事で、新大陸の考古学発見のニュースとして、何れもヨーロッパ人の到来との関わりのある2件に触れたが、もちろん、新大陸の考古学発見のニュースとしてはそんな新しいものばかりではなく、もっと古代的な発見のニュースの方が全体としては多いかもしれない。つい最近では太陽観測に関わる遺跡の話があったが、今日また1万年前の遺物のニュースがあった。
(07/06/29) Squash Seeds Show Andean Cultivation Is 10,000 Years Old, Twice as Old as Thought (N)
http://www.nytimes.com/2007/06/29/science/29squash.html?ref=science
この記事によると、新大陸における農耕の始まりはこれまでの定説である5000年程度前よりも2倍も古い1万年前ということになり、メソポタミアと殆ど同時期、また新大陸に人が渡ってきたと考えられている13000年前からもそれ程年数を経ていないということになるそうである。エキスパートの話として、農耕の始まりというものはこれまで考古学的証拠から想像されてきたように突然に始まったものではなく、徐々に始まったものと考えられるという見解が紹介されている。確かに農業らしきことは昆虫など、動物にも見られるくらいなのだから、一時に開花した人類の特別で天才的な発明といったものではなく、各地で何となく散発的に始まったような面もあるのではないか?とも思われた。とすれば、一つの学問的な常識の崩壊である。