アンデス1万年前の農業
昨日の記事で、新大陸の考古学発見のニュースとして、何れもヨーロッパ人の到来との関わりのある2件に触れたが、もちろん、新大陸の考古学発見のニュースとしてはそんな新しいものばかりではなく、もっと古代的な発見のニュースの方が全体としては多いかもしれない。つい最近では太陽観測に関わる遺跡の話があったが、今日また1万年前の遺物のニュースがあった。
(07/06/29) Squash Seeds Show Andean Cultivation Is 10,000 Years Old, Twice as Old as Thought (N)
http://www.nytimes.com/2007/06/29/science/29squash.html?ref=science
この記事によると、新大陸における農耕の始まりはこれまでの定説である5000年程度前よりも2倍も古い1万年前ということになり、メソポタミアと殆ど同時期、また新大陸に人が渡ってきたと考えられている13000年前からもそれ程年数を経ていないということになるそうである。エキスパートの話として、農耕の始まりというものはこれまで考古学的証拠から想像されてきたように突然に始まったものではなく、徐々に始まったものと考えられるという見解が紹介されている。確かに農業らしきことは昆虫など、動物にも見られるくらいなのだから、一時に開花した人類の特別で天才的な発明といったものではなく、各地で何となく散発的に始まったような面もあるのではないか?とも思われた。とすれば、一つの学問的な常識の崩壊である。