地球温暖化と湿地のメタン
BBCニュースで地球温暖化のメカニズムに関わる湿地のメタンに関する記事が出ている。
(07/09/20) Bog helps build climate insights (B) http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7003668.stm
これはイギリスの鉄道工事で露出した5千5百万年前の湿地の調査により、当時の急激な温暖化進行期のメタンの動向が明らかになったというものである。それによると、湿地化石に記録されている当時の空気中のメタンは湿地自身から放出されたもので、それは当時の温度上昇の結果として放出され、フィードバック効果として当時の温暖化を増幅する結果となったとされている。残念なことにメタンが放出される原因となった最初の温暖化の原因については触れられていない。
以上の現象が現在に適用され、現在まさに同じ事が生じており、温帯と極地域の湿地が地球温暖化を加速しているいう結論に至っている。
繰り返しになるが、残念に思うのは、過去のメタン放出のきっかけとなった一次的な温度上昇の原因について何の考察も言及もないことである。それを突き止めることが仮に不可能であるとしても、この現象を現在に適用する前に、とりあえずその事に言及すべきではないだろうか。
以前に温暖化関連ニュースと比較読みした根本順吉著「世紀末の気象」によれば、CO2と共にメタンも、一時的な気温上昇によって引き起こされた二次的なフィードバック要因とされている。この記事で扱われた過去の湿地調査結果は、湿地のメタンに関しても「世紀末の気象」の理論を裏付ける結果となっている。