ラニーニャ現象とダイポールモード現象、海水温シミュレーションモデルの成功
07/10/27) 海面温度上昇、インド洋と太平洋の同時発生予測に成功 (Y) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071027i105.htm
(07/10/25) ラニーニャ現象:約半年前に予測 海洋機構が確立、長期予報の精度向上に期待 (m) http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2007/10/25/20071025ddm012040118000c.html
(07/10/24) 海面温度の異常上昇、世界で初めて予測に成功 (Y) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071024it12.htm
よみうりオンラインでは二度に渡って報道されたこのニュースの見出し、特に1回目の見出しを見ると、何かグローバルな温度上昇の事のような印象を受けるが、記事を読んでみるとダイポール現象とかラニーニャ現象といった、固有名詞(?)で呼ばれる特殊な現象のことであることが分かる。何れも海洋のスポット的な温度上昇と温度降下とがセットになった現象なのだから、よみうりの、特に始めの方の見出しは不適切ではないだろうか。毎日の方の見出しではラニーニャ現象の方だけを出し、ダイポールモード現象のほうは省略されているが、それでもこの記事の元になった事項とその意義をも含めて表現した的確な見出しだと思う。
ラニーニャ現象の方は、今年になってからは天気予報などでもよく耳にする言葉で、日本の気候にも影響していることが言われている。ダイポールモード現象の方は多分聞き始めであるが、何れも、最も有名なエルニーニョ現象と同種の現象であることが分かる。エルニーニョの方はどうなのだろうか、まだ解析途上なのだろうか、という疑問あるいは興味が起きるが、そういう事にまで言及されていれば有難いと思う。
いずれにしても、こういう現象が、スパコンでシミュレート、ある程度予測できるようになってきたということなのだろう。ただ、半年くらいまえのデータから予想できたということであって、何かサイクルのようなものがあるのだろうか、とか、原因と呼べるようなものがあるのだろうか、とか、グローバルな温暖化と関係があるのだろうかといった疑問は当然持たれる事になる。多分、そういうことはまだ全く分かっていないのだろう。